海外旅行を計画する際に、避けて通れない重要なポイントのひとつが「手荷物のルール」です。
機内持込み手荷物と預け手荷物には、それぞれサイズや重量、持ち込み禁止物などの規定があります。
規定を理解しておかないと、空港でトラブルや余計な費用が発生してしまう場合があります。
本記事では、海外旅行を快適に楽しむために押さえておきたい、機内持込みと預け手荷物の基本ルールを分かりやすくご紹介します。
これから海外旅行へ出発する方はもちろん、旅行前の準備に不安がある方もぜひ参考にしてみてください。
1. 海外旅行の手荷物規定の基本概要

海外旅行をする上で、事前に機内持込み手荷物ルールの規定をしっかりと理解しておくことが大切です。
一般的な「機内持込み手荷物」のルール
航空会社や国によって若干異なりますが、一般的に共通して押さえておきたいポイントをご紹介致します。
サイズ・重量の制限
ほとんどの航空会社では、機内持込み手荷物のサイズと重量に制限があります。
一般的な目安
サイズ:縦+横+高さ=115cm以内(例:55cm×40cm×20cmなど)。
重量:7kg~10kg程度。

事前にご自身が利用する航空会社の規定を確認し、超過しないよう注意しましょう
禁止・制限物品一覧
保安上の理由から、機内への持ち込みが制限または禁止されている物品があります。
一覧にしたので、荷物準備の際に確認しておきましょう
- 刃物類:ハサミ(刃渡り6cmを超えるもの)、カッターナイフ、ナイフ、模造刀などは、持ち込み禁止。
小さな眉毛用ハサミや爪切りなどは、許可される場合もあるが、預け入れ手荷物に入れるのが安全。 - 引火性・爆発性物質:ライター燃料、花火、発煙筒、塗料、ガソリン、高圧ガスボンベなどは、持ち込み禁止。
- 毒物・劇物:殺虫剤、農薬、漂白剤などは、持ち込み禁止。
- 銃器・武器:モデルガンを含む銃器類、スタンガン、手錠、催涙スプレーなどは、持ち込み禁止。
- 鈍器:野球バット、ゴルフクラブ、スケートボードなど、凶器となりうるものは、持ち込み禁止。
- スプレー類:医薬品・化粧品を除く、引火性のスプレー(高圧ガスを含む)は持ち込み禁止。
ヘアスプレーや制汗スプレーなどは、100mlルールに準じて持ち込みが可能。
リチウムイオン電池の持ち込みのルール
モバイルバッテリー、予備バッテリーは、機内への持ち込みは可能ですが、条件があります。
- バッテリー容量100Wh以下のものは、複数個可能。
- 100Wh超160Wh以下のものは、最大2個まで可能。
航空会社によって、100Wh以下でも持ち込み可能なモバイルバッテリーの数に制限がある場合や、160Whを超える場合は許可が必要な時もある。事前に確認しておくことをおすすめします



160Whを超える一般的なモバイルバッテリーは、ほとんどありません。そのため、基本的には、機内持ち込み可能と考えて大丈夫です。
しかし、スーツケースに入れて預けることはできません。
理由:モバイルバッテリーの本体には、リチウムイオンバッテリーが使用されており、外から衝撃を受けると発熱・発火したり、爆発したりする危険性があります。
大まかな国の一覧を表にしましたので、参考にしてみてください。(2025年7月時点)
ただし、航空会社によって、異なる規制を設けていることがあります。
海外の航空会社を使用する場合は、事前に確認しておくことをおすすめします。
航空会社 | 100Wh以下 | 100Wh~160W | 160Wh以上 |
---|---|---|---|
ANA | 無制限 | 2個まで | 持ち込み不可 |
JAL | 無制限 | 2個まで | 持ち込み不可 |
ユナイテッド航空 | 無制限 | 2個まで | 持ち込み不可 |
デルタ航空 | 無制限 | 2個まで | 持ち込み不可 |
大韓航空 | 20個まで | 2個まで | 持ち込み不可 |
カタール航空 | 20個まで | 2個まで | 持ち込み不可 |
チャイナ・エアライン | 20個まで | 2個まで | 持ち込み不可 |
液体・ジェル類の持ち込みルール
液体物の持ち込みには厳しい制限があります。
下記を守らないと、セキュリティチェックで没収されることがありますので、注意が必要です。
- 持ち込める液体は、1容器あたり100ml(g)以下。
- 液体は、100mlの容器で、合計容量1リットル以下のジッパーの付いた再封可能な透明プラスチック製袋に入れる。
液体が100ml以下でも、容器が100ml以上の場合は、持ち込みは不可です。
例:300mlの歯磨き粉の中身が、残りわずかで100ml以下しかないから持ち込みしようとしてもできません。
また、100ml以下の容器に入っていても、透明のプラスチック製袋に入れていない場合は、持ち込みはできませんので、注意しましょう



持ち込みに利用できる「透明プラスチック製袋」のサイズの目安は、縦20㎝以下×横20㎝以下で、1人1袋までと決まっています。
どんな袋か迷う方、準備するのを忘れてしまった方は、空港内のコンビニで購入できることがほとんどですので、ご利用ください。
持ち込み可能なアイテムと注意点
ノートパソコン・カメラ、財布などの貴重品は、機内持込みがおすすめです。
これらは、預け荷物に入れると紛失や破損のリスクが高まるためです。
また、薬や子供用のミルク・離乳食も液体制限の対象になるため、必要な場合は事前に確認し、適切に準備しておくことが大切です。
例えば、薬やミルク、離乳食は少量ずつ持ち込み、必要に応じて容器に入れておくとスムーズに通過できます。
定期的に服用している薬は、医師の処方箋や証明書を一緒に携帯しておくと、万が一の際に安心です。
空港のセキュリティチェック時には、これらの液体を別途提示できるように準備しておきましょう。
事前に利用する航空会社や空港の公式情報を確認し、必要な書類や手続きについて把握しておくことが大切です。
「預け手荷物」のルール
預け手荷物は、航空会社によって規定されているサイズや重量の範囲内であれば、比較的自由に荷物を預けることができます。
ただし、規定を守らないと荷物が受け取れなかったり、追加料金が発生する可能性があるため、事前にしっかりと確認しておくことが大切です。
重量制限と超過料金
多くの航空会社では、預け手荷物の重量制限が設定されています。
多くの航空会社では、下記のような重量制限の基本ルールがあります。
- エコノミークラスの場合:1個あたり23kg(50ポンド)まで。個数は1〜2個までが無料。
- ファーストクラス・ビジネスクラスの場合:1個あたり32kg(70ポンド)まで。
個数は航空会社によって異なる。
※預け手荷物の重量制限は、航空会社や搭乗クラスによって大きく異なります。
※預け手荷物の重量制限を超過した場合は、超過料金が発生することがほとんどです。
そのため、事前に自身が利用する航空会社の重量制限を確認しておくことが重要です



特に長距離の国際線を利用する場合は、重量超過に対して高額な追加料金がかかることもあります。
そのため、荷物の重さは事前に計測しておくことをおすすめします。
サイズの制限
預け手荷物には、重量だけでなく、「サイズ」にも制限があります。
多くの航空会社での一般的なルールは、
- 3辺(縦・横・高さ)の合計が158cm以内(キャスターや持ち手を含む)。
上記を超えると、特別料金や荷物の受け取りに制限がかかる場合があります。
大型の荷物を預ける場合は、航空会社の規定を事前に確認し、適切なサイズのスーツケースを選びましょう
破損・紛失時の対応
預け荷物は、空港や航空会社の管理下に置かれるため、破損や紛失が起こりうるトラブルです。
高価な品物や壊れやすいアイテムは、なるべく預けずに、機内持ち込み手荷物に入れましょう。
やむを得ず、預け荷物に入れなくてはいけない場合は、保険への加入をおすすめします。
万が一、荷物の破損や紛失があった場合は、速やかに航空会社に連絡し、適切な対応を求めることが重要です。
2. 海外旅行の事前準備と注意点


旅行をスムーズに進めるためには、事前の準備と注意点をしっかり押さえることが不可欠です。
これにより、トラブルや不安を抑え、快適な旅を楽しむことができます。
事前準備のポイント
事前準備をする際のポイントをまとめましたので、参考にしてください
- 持ち物リストの作成:必要なアイテムや重要書類を漏れなくリストアップし、忘れ物を防ぐ。
- パスポート・航空券・保険証などの書類のコピーを作成:電子データとして保存。
- 荷物の重量・内容を確認:規定に合った荷造りかを確認。特に、重さ超過や禁止物品に注意。
- 渡航先の気候・文化、規則の事前調査:適切な準備を整える。
- 旅行保険への加入:万一のトラブル時に備える。
注意点
空港や航空会社の規定を事前に確認し、違反しないよう下記の点に、注意しましょう。
・貴重品や壊れやすい物は、機内持ち込みを優先し、丁寧に取り扱う。
・旅行当日の乗り遅れや遅延に備え、余裕を持ったスケジュールを立てる。
・現地の法律やマナーを事前に確認し理解しておく。
・緊急時の連絡先や対応策も事前に確認する。
事前準備と注意点を守ることで、トラブルを未然に防ぎ、安心して旅行を楽しむことができます。
準備に時間をかけておくことで、現地での不安やストレスを軽減し、素敵な思い出を作ることができるでしょう。
3. よくあるトラブルと解決策


旅行中にはさまざまなトラブルが起こることがありますが、事前に対策を知っておくことでスムーズに解決できます。ここでは、よくあるトラブル内容をQ・その解決策をAとしてご紹介します。
1. 荷物の紛失や遅延
- 荷物が届かないor遅れて到着するor破損している。
-
荷物には、必ず目立つタグやラベルを付け、重要なアイテムは優先して手荷物に入れる。
万一紛失した場合は、空港の遺失物センターや航空会社に速やかに連絡し、証拠となる写真やリストを提出してください。事前に荷物の中身の写真を撮っておくと、証明や手続きがスムーズです。
2. パスポートや重要書類の紛失
- パスポートや身分証明書を紛失した。
-
常に身につけるか、セキュリティポーチに入れて持ち歩く。
万一紛失した場合は、最寄りの大使館や領事館に連絡し、再発行の手続きを行う。
必要な書類や証明書を事前に準備しておくと安心です。
3. 体調不良や怪我
- 旅行先で体調を壊したor怪我をした。
-
事前に常備薬や応急処置用品を持参し、現地の医療機関の情報も調べておく。
保険に加入している場合は、保険会社に連絡し、適切な対応を受けてください。
4. 交通トラブルや遅延
- 公共交通機関の遅延や運休or迷子or乗り換えに失敗した。
-
事前に現地の交通情報やルートを調べ、アプリや地図を活用してリアルタイムの情報を確認する。
遅延や運休が判明した場合は、代替の交通手段(タクシーやレンタカーなど)を検討する。
また、乗車前に行き先や乗車位置を確認し、迷子にならないよう注意する。
緊急時には、現地の案内所や駅員に相談することも有効です。
さらに、重要な場所や宿泊先の住所を紙に書いて持ち歩くと、道に迷ったときに役立ちます。



タクシーに乗った際は、行き先だけでなく、住所まで伝えることをおすすめします。行先だけを伝えて、全く違う場所に案内されてしまったという話をよく聞きますので、ご注意を
4. 便利なパッキングのコツとおすすめアイテムとは?


海外旅行を快適に過ごすためには、効率的な荷造りが欠かせません。
無駄な荷物をなるべく減らし、必要なものだけを準備することで、荷物の重さやかさばりを抑え、スムーズな移動が可能になります。
ここでは、効果的な荷造りのポイントをご紹介します。
1. 事前に持ち物リストを作成
渡航先の気候や滞在期間に合わせ、必要なアイテムをリストアップしましょう。
重複や不要なものを避けるために、優先順位をつけて整理するのがコツです。
優先順位をつけることで、忘れ物や過剰な荷物を防ぐことができます。
2. パッキングの順序と方法
荷物のパッキングの際は、重いもの・かさばるアイテムから底に配置し、バランスよく詰めるのがポイントです。
衣類は、綺麗に畳んで丸めてコンパクトにし、シワにならないように入れましょう。
圧縮袋や収納ケースを活用すると、スペースを有効に使えるのでおすすめです。
小物やアクセサリーは、小さな袋やケースにまとめて整理しましょう。
3. 必要最低限のアイテムを選ぶ
楽しい旅行で、あれもこれも持って行きたい気持ちはあると思いますが、旅の目的や滞在期間に合わせ、本当に必要なものだけを選びましょう。
例えば、渡航先で洗濯できる環境がある場合は、衣類の枚数を減らすことも検討しましょう。
使い勝手の良い多機能アイテムやコンパクトになる衣服を選ぶことで、荷物を軽くできますよ。
4. 便利なアイテムを活用
荷造りの際に、パッキングキューブや仕切りケースを使うと、荷物の整理整頓がしやすくなります。
また、旅行用の圧縮袋や折りたたみ式のバッグを活用して、衣類やタオルなどのかさばるアイテムをコンパクトにまとめると、スペースの節約にもつながります。
さらに、折りたたみ式のバッグやポーチを持ち歩くことで、現地でのお土産などを持ち運ぶ際にも便利です。
これらのアイテムを上手に活用して、荷造りの効率化と快適な旅行準備を実現しましょう。



海外旅行に行くと、たくさんのお土産を購入する方が多いと思います。
パッキングの際に、スーツケースの半分を目安に荷物を入れると、お土産を入れるスペースも確保できるので、おすすめです。
まとめ
海外旅行を楽しむためには、手荷物のルールやポイントをしっかり押さえることが大切です。
荷造りの時には、必要なアイテムを厳選し、効率的に整理整頓することで、荷物の重さやかさばりを軽減できます。
また、公共交通機関や現地でのトラブルに備えた準備や、便利グッズの活用も旅をより快適にします。
ルールを守りながら、事前の準備や工夫を重ねることで、ストレスフリーで思い出に残る素敵な旅行を実現しましょう。